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Yuri ♡Love story…

好きな人を想う愛おしい時間がここにある。とっておきのラブストーリー。

第一話 愛してるの距離 <Short story>

愛してるの距離

 

 

「手寒い?」

「少し」

 彼はポケットからゆっくり手を出して空を見上げた

「ほら」

 空を見上げたまま手を私の方へ差し出す

「えっ」

私は戸惑い下を向く

「ほら、手さむいだろ?」

彼は強引に私の手を握った

冷えてた体が一気に温まり、心臓が踊った

 

 街路地に二人

 わずかに光電灯が二人の手元を演出した

 

 大好きだった

 

 彼の大きくて温かい手のぬくもりが私の記憶の温度を上げる

「お前って結構恥ずかしがりやだな」なんて

手を差し出すだけで顔赤くしてるあなたに言われたくない

 

 あの寒い夜

 街路地に二人

 

 暗いし、寒いし、足痛かったけど

 あなたのぬくもりさえあればそれだけで何もいらないと思った

 

 幸せだった

 

 あなたは違ったの?

 私の冷たい手これから誰に温めてもらえばいいの?

 ねぇ、もう一度言って?

「お前だけだよ」って抱きしめてよ

 

 あの道がいつまでも続けばいいと心で何度も唱えた

 ドキドキしたよ。あなたの手

 

 私の心臓の音聞こえてた?

 

 あんなに近くにいたのに、あんなに抱きしめてくれたのに

愛する気持ち伝わらなかったんだね

 

あなたとの距離はずっと離れたまま

決して縮むことのない底なしの愛

 

あの時も、今も、この先もずっと…

 

でもね、私。愛してる

 

あの時も、今も、この先もずっとずっと

 

だから気づいて、あなたには私しかいないってこと